私たちは、地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、朝になると目を覚まし、夜になると眠ります。24時間の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っているわけですが、体温やホルモン分泌などのからだの基本的な機能も約24時間のリズムを示すことがわかっています。

この約24時間周期のリズムを概日リズム(Circadian Rhythm)と言います。

体内時計」と言う言葉なら聞いたことある方も多いと思いますが、この体内時計は、「光」と「ホルモン」と強く関係しているのです。

幸せホルモンと睡眠ホルモン

体内時計と光に関係するホルモンは2つあります。

まず、光を浴びることで分泌が増える「セロトニン」。心のバランスを整えてくれる脳内物質のひとつで、心と身体を安定させ、幸せを感じやすくする働きを持つことから、「幸せホルモン」と呼ばれています。

朝起きてすぐに太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされて体が覚醒し、セロトニンの分泌が活性化されることで、元気に一日をスタートさせることができます。

そして、夜暗くなると分泌が増える「メラトニン」。メラトニンとは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、視交叉上核にある体内時計に働きかけを行うことで、自然な眠りを誘う作用があることから、「睡眠ホルモン」と言われています。

赤ちゃんの場合、メラトニンは、朝太陽の光を浴びてから13-14時間後に分泌が盛んになると言われているため、例えば朝6時に光を浴びると、19時や20時には自然と眠くなっていきます。

この仕組みを利用すると、赤ちゃんも子どもも(もちろん私たち大人も!)安眠を手に入れることができます。

睡眠ホルモン「メラトニン」をしっかり分泌させる

セロトニンとメラトニンが光に大きく作用することはご理解いただけたと思います。朝太陽の光を浴びさせてセロトニンを分泌させ、夜にはメラトニンが分泌されると自然と眠くなって寝付きやすくなります。

ただし、現代の私たちの生活では、メラトニンは分泌されにくくなっているんです。

メラトニンは夜暗くなると分泌が増えると上述しました。ですが、大自然の中で生活していた我々の祖先とは異なり、現代は家の中も家の外も夜遅くまで電灯で照らされていて、なかなか暗くなりません。特に、赤ちゃん・子どもに寝て欲しい時間帯である19時~21時などは、まだまだとても明るいですよね。

メラトニンは明るい照明を浴びてしまうと、ピタッと分泌が止まってしまうという特性を持っています。特に蛍光灯のような青系の色や、スマホやパソコン、テレビなどのブルーライトは、脳を覚醒させる作用がありますので、光の明るさ次第では、脳が「朝だ!」と勘違いしてしまう可能性すらあります。

そこで、脳に勘違いさせないためにも、またメラトニンをしっかり分泌させるためにも、夜寝る前には、家の照明を暗くし、間接照明などオレンジ系の暖色にすることをおすすめします。そして、赤ちゃんを寝かせる寝室は、窓やドアの外から光が漏れないように、しっかりと遮光対策をされると、ぐんと睡眠の質があがり、自然な睡眠リズムができていくと思いますよ。

夜、赤ちゃんがなかなか寝てくれないからといって、外をベビーカーでお散歩させているという話を聞いたりもしますが、街灯やコンビニの照明は結構な明るさですから、かえって赤ちゃんの入眠を阻害することにつながりかねません。

是非、家の中の静かな場所で、メラトニンが分泌されやすい環境を作って寝かしつけを行ってみてください。寝る時間だからと無理やり寝かしつけをするより、人間が本来持っている機能や体内時計を意識してみると、意外とすんなり寝てくれるかもしれません。

BABY SLEEP SCHOOL TOKYOでは、乳幼児のスリープコンサルタントが、お部屋や寝室の環境についてのアドバイスも行っています。赤ちゃんにとって安全で寝やすい環境を整備することは、とても大切なことだと考えていますので、是非お問合せください。

【参考文献】
穂積桜「睡眠レッスン」セブンプラス新書
厚生労働省「e-ヘルスネット」

Baby photo on top: Sweet Me Photography